磨き上げればそれは武器になる。 磨き上げればそれは武器になる。

磨き上げればそれは武器になる。 磨き上げればそれは武器になる。

岩根 功昌

熊本店営業2課 2012年入社

GOかSTOPか。
正しい選択はどっちだ。

グローブを2度、3度叩いて、途方にくれる気持ちを隠した。大きな穴の底に1人で落ちたような気がした。
野球少年だった。父がそう導き、自分も喜々として従った。ターニングポイントは突然にやってくる。中学1年のとき、事情があって軟式チームから硬式野球のチームに移った。そもそもが人見知りなのに、放り込まれた未知の環境、初めてのコミュニティ。なによりレベルの違い。チームの中で自分が一番下手クソだと思った。負けん気に火が付いた。人一倍、二倍、三倍練習。自信めいたものが芽生えたころ、ランナーコーチの役割を与えられた。選手の能力や性格を知る、ゲームの流れを見る、彼我の戦力を測る。大事なのは観察。その上での決断。GOかSTOPか。正しい選択はどっちだ。観察力はこうして身に付いた。天性のものだったかもしれない。勝つための、攻めの観察力。それからの野球人生、現在までのビジネス人生の、大きな武器になった。

GO。自分に向かって腕を回した。 GO。自分に向かって腕を回した。

GO。
自分に向かって腕を回した。

スライダーを捉えた。ライナーは正面をつき、高校最後の夏が終わった。キャプテンで内野の要、2番という難しい打順。やり切ったという達成感に満たされながら空を見上げた。
先輩のすすめもあり、地元・熊本を離れ福岡の大学に進む。親から独立したいという意識もあった。九州でも屈指の強豪野球部に入部。学生下宿での暮らし。もちろん野球が中心の日々だったが、一人暮らしは自立心と自律性を育んだ。3年次には学生コーチに就任。観察力に磨きがかかった。
就職活動期、長男だったこともあり地元の企業を探した。熊本で開催された合同企業説明会でUKデンタルに出会った。社員たちの、率直で明るく気さくな雰囲気。野球部っぽいなと思った。つまりスポーティな感じ。観察力には自信がある。ここなら、という感触があった。決断は速い。GO。自分に向かって強く腕を回した。

疾走。去年の自分を超えていく。 疾走。去年の自分を超えていく。

疾走。
去年の自分を超えていく。

最初の大きな壁は入社した年に来た。研修や先輩に付いていく期間も終わり、1人立ちをしたころ。歯科医の先生からの質問に即答できない。人見知りでなかなか誰とでも仲良くなれるタイプではない。お客様の質問に答えられないのでは、会話の糸口さえつかめない。原因ははっきりとしていた。知識不足。負けん気に火が付いた。人一倍、二倍、三倍勉強。メーカー担当者に聞く。先生方の勉強会の手伝いにいき情報をインプットする。実際に使用されているお客様に質問する。自分で身に刻んだ知識は決して消えない。話の糸口ができた。
去年の自分より販売額を増やしたい。その一念で走ってきた。担当先での滞在時間を長くとりコミュニケーションをとる。お客様が何を求めているかを観察する。何をすれば喜んでいただけるかを考える。観察、判断、提案。攻めていく。

これって「守る観察」じゃないか。 これって「守る観察」じゃないか。

これって
「守る観察」じゃないか。

出社してすぐにその日の営業の準備をする。ほぼ9時半から10時の間に営業に出る。午前中、熊本市内を回り午後からは郡部へ移動する。その後、基本的には毎日帰社、次の日の準備をする。自分でつくりあげたルーチン。自分を最大限に発揮するべく磨きあげた手順。
その中に最近、新しい習慣が出来つつある。
後輩たち。営業課には下に8~9人ほど常時いる。その存在がなんだか気になっている。大丈夫か、疲れてないか。気にはなるが声はかけない。自分で強く求めない限り新しい地平は開かない。だから聞かれれば答える。答えるための準備は出来ている。一人ひとりを観察しているから。ある日、ふと気づいた。これって「守る観察」じゃないか。後輩たちの可能性を、ポテンシャルを守るための観察。そういう立場になったのかなと、苦笑してみたりする。